初めてマネージャーになった日

キャリアの目指すべきポジションのひとつは、疑いもなくマネージャーでしょう。
現場の最前線で、担当者として経験を重ね、いくつかの修羅場もくぐり抜け、周囲の厚い信頼も勝ち得た。
そんなバリバリの担当者にとって、「マネジメント職への昇進」は、自分が積み上げてきたキャリアが手繰り寄せた「次への一歩」なのかもしれません。
当然、やる気満々の新任マネージャーは、鼻息も荒く次への一歩を踏み出していく事でしょう。
現場でキャリアを積み上げてきた時と同じように。

しかし、この一歩は、今までの一歩とは全く違います。
マネジメントで求められるパフォーマンスは、担当者の頃とは全く異なるものだからです。

新任マネージャーが感じる「パフォーマンスの変化」は、まず仕事の風景の見え方に現れることでしょう。

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マネージャーが見つめる先

担当者時代に見慣れていたつもりの仕事の風景が、マネージャーになると、まるで違うのです。
担当者の時には、自分だけのことを考えていればよかった。もちろん最年長の担当者等がマネージャーをサポートするなど、時にはマネジメント業務の一部を経験することもあるでしょう。しかし、その場合も責任はマネージャー本人から移ることはありません。
マネージャーは、預かった組織のトップであり、「城の主」なのです。経営側の姿勢、顧客の方針、現場の現実、それらを全て飲み込んだ上で、自分が組織の最終回答となるジャッジを下さなくてはならない。これは、なかなかのプレッシャーですよね!

マネージャー業務において、今までのキャリアは問題解決の一助でしかありません。「ジャッジする」ためには、全体を見通しポイントがどこにあるかをつかみ、バランスを見ながら「決断を下す」という全く異なるスキルが求められるのです。

新任マネージャーが壁にぶち当たったような気分になるのは当然です。
仕事でわからない事なんてないと思っていたし、新しい仕事に着手したとしても、今までの仕事のやり方の延長線で対処できると思っていたのに、マネジメント業務の「答え」は、今までの仕事の延長線上にはないのです。

それでも大丈夫です!誰にだって、どんなことにだって「初めて」はあります。 ペースを掴めばそこは百戦錬磨のベテラン!きっと自分のやり方を見つけ突破していけるはずです。
本稿では、マネージャーとしての最初の一歩を踏み出す際の心得をまとめてみました。マネジメント業務の「初めて」を乗り越えるために少しでもお役に立てましたら幸いです!

新任マネージャーは、失敗するのが仕事

マネージャーは、自分のチームを率いて、その領域で勝ち続ける戦略を求められます。 担当者の仕事は、局地戦にすぎません。担当者をどう配置し、与えられたテリトリーで総合的にどう戦っていくのか。
これ、新任のマネージャーには相当に荷が重い業務と言ってもいいでしょう。
なぜなら、「100%の答えはそこにない」からです。あるとすれば、答えを探す方法だけでしょう。まずは、ブチ当たっていきながら都度軌道修正して進めるしかないのです。
こういった芸当は、新任マネージャーは当然となります。最初下した判断が全く見当違いで、軌道修正どころか、全面撤回せざるを得なくなった、等と言うことは日常茶飯事に起こり得るのです。

しかし、失敗を恐れる必要はありません。むしろ新任マネージャーの頃は「失敗するのが仕事」とも言えるでしょう。
新任マネージャー最大の特権は、「間違いが許される」ところにあるからです。古参のマネージャーにはできない、現場に最も近い血気盛んなマネージャーならではの大胆な施策を、「俺が上司になったら絶対こうするのに」と思っていた施策を、どんどん現場へ投入すべきです。10の失敗の中で1つの成功があればいい。そのくらいの気持ちで、何もかも変えるつもりで業務に臨むべきです。

では、なぜ「変える」ことにこだわる必要があるのか。それは、マネージャーは成果を出すのが仕事ではないから、ということにつきます。
マネージャーの仕事は仕組みづくりにあるといえます。「今ある仕事をより良くし、更に成果を出す仕組みをつくること」が仕事なのです。農業にたとえるなら、田畑に野菜を植えるのは担当者の仕事。マネージャーの仕事は田畑そのものを作りだし、管理することにあるのです。

任せてしまう。

新しい仕組みを作るのですから、周囲の環境と大きな軋轢が生じるのは当然のことです。今のやり方に慣れている周囲のメンバー、特に部下の担当者からすれば、新しいやり方を導入することに抵抗することもあるでしょう。今までのやり方に慣れ親しんだ担当者からすれば、これは当然の反応と言えます。

こうした軋轢を避けるためには、新しい仕組みづくりに反対するメンバーの話をしっかり聞くことがまず大事です。そのうえで、担当者を信頼し、すべて任せてしまいましょう。
「新しい仕組はこういった理由で必要だ。だが、やり方は俺には分からん。一番この領域に詳しい君に任せるわ!」と、部下に託してしまえばいいのです。
大事なのは、口先だけでなく、本当に任せてしまう事!
担当してもらう領域だけ最初にしっかりと取り決め、あとは担当する部下に渡してしまえば良いのです。
上司に信頼され、頼られていると感じ担当者は必死になって期待に応えようとしてくれるはずです。

その上で、マネージャーは部下を守らなければなりません。でも、それは良い人事評価を自分の部下の為に勝ち取る事でも、良い点数をもらえるよう、部下を督促する事でもありません。

担当者自身が自分で考えること。
課題がどこにあり、どう解決すべきか、その全てを自力で考え抜き見出せる力を部下に備えさせること、それがマネージャーのミッションと言えます。
マネジメント業務の一端を担わせ、チームとして仕事のやり方を大きく変えていくプロセスを取ることで、部下の育成そのものを同時に進めていく。
これがマネージャーとしての仕事の進め方の「基本形」と言えるでしょう。

その力を付けさせるためにも、担当者が致命傷にならない限り、どんどんやらせてみて、失敗するのを見守るのです。失敗する事こそが担当者の最大の成長の糧となるのは、新任マネージャー自身が一番よくわかっているはずですから。

おわりに

どんなに担当者としてのキャリアが卓越していたとしても、それだけでマネージャーは務まりません。 プロ野球の監督が過去のスター選手ばかりでないのを見ればおわかりになるように、「スーパープレイヤーがスーパーなマネージャーになるとは限らない」のです。 だからこそ、マネージャーは奥深く、チャレンジしがいのあるポジションだと言えます。ぜひあなただけの、どこにも誰にも負けないようなマネジメントスタイルを見つけ出せるよう、挑戦し続けてください!

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