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意外に手間取る「顧客管理」

SFAツールを導入していたとしても、使い方によって成果は分かれます。
あなたが営業現場にいる方だとして。
あるいはそうでないならちょっと想像してみてください。

「顧客管理」ってどのくらい手間をかけるものなのでしょう?

「自分が」「いま」営業先だけを管理するなら、まだ楽かもしれません。
でも、実際の営業現場では「自分以外の社員と、時系列を追って」情報を共有する必要がある場合が大半。
これが結構クセモノ、「手間暇をかけて顧客情報管理しているよ」という方も多いのではないでしょうか。

営業活動は営業担当者一人で行うものではありません。営業部門全体で情報を共有しておかないと、お客様からの問い合わせにコール担当者は答えられないでしょうし、今月の売上げも見込みも立てられません。
また、営業部門外にも連携が必要です。マーケティング担当者、生産管理、サービサー等々、営業側の商談の状況や、実際の活動内容など生の情報を欲するセクションは多々ありますよね。

また、営業の仕掛けを考えてみても、「いまの施策」だけを切り出して考えるわけにはいきません。
お客様の過去の案件情報を把握したうえで、今やるべきプロモーションは何かを選択できるようなCRM顧客管理システムが無いと、散発的・的外れなプロモーションとなってしまうでしょう。
例えばフォーマルウエアを売るなら、「こども服のプロモーションに反応があったお客様に、入学・卒業シーズンに合わせてプロモーションをかける」方が圧倒的に効率化を図れます。
刻一刻と変化するお客様の情報を営業社員が社内各セクションに連携する(しかも間違いやミスを排除して!)のは結構骨が折れるものです。

SFAは使い方が肝心

こうした顧客管理ニーズに応えるツールとして、昨今急激に普及が進んでいるのがSFAと呼ばれる営業支援ツールとなります。
SFAはsales force automationの略であり、直訳すると「営業支援システム」といった意味合いになるでしょう。

その概要を一言でいえば、「営業組織が持っている情報を一元保有・管理・分析・評価し、複数のメンバーで共有するシステム」等といえます。
リアルタイムに今入ってくる情報を蓄えてメンバー間で共有が可能になるだけでなく、それらを営業管理者が分析して「今のホット顧客」などの案件を抽出して営業マンに知らせたり、「ランディングページから資料請求のメールを頂いた方に対し、定期的にメールやコール等のアプローチを行う」等といった顧客管理・案件管理を行えるのが特徴です。
細かいお客様の情報を積み上げ、分析して、既存顧客や見込み顧客に対し攻めの営業の武器に使える。そこがSFAの最大の魅力と言えます。

しかし、このSFAは「誰がどう使っても必ず成果が出る」わけではありません。
有効なツールであるからこそ、ツールに振り回されて結果が出ない営業現場も散見されるのです
例えばこんな症状、もしやあなたにもお心あたりがあるのでは・・・?

◆SFA機能不全

ケース1 入力頼りになる

営業担当者がとにかくデータを入力することに必死になるケースです。営業成績管理上、タイトなスケジュールで結構な頻度で数字を入力する事が求められ、それがうんざりするほどのボリュームだ……。なんてことは良くある話です。

このケースの場合、「会社からやれと言われたから」など、営業担当者にとってSFAはただ業務が増えるだけのヤッカイで面倒なツールにしか見えないでしょう。

こうならないためにしっかりと目的意識をもって、日頃から情報を蓄積していく癖をつけることが大切です。

ケース2 SFAに人間が合わせる

誰か過去の人間が設定したSFAの機能やルーティンから、現在の営業担当者が合わせすぎるケースも多々あります。

マーケットは常に変化しており、今はもっと良いプロモーションや管理方法があるハズなのに、「システム上これしかできない」と営業スタッフ側の思考が固まってしまうケースは結構あるのではないでしょうか。
例えば「週2回コールをかける」ためにターゲットリストがマーケ担当から上がってくるのだが、実際には毎朝新規顧客に電話するよう営業手法を変えており、マーケのリストは使わない、等と言ったムダやムラは頻発していると思われます。

柔軟に対応できるのは良いこともある反面、結果の検証がしずらくなってしまうこともあります。

こういったことも都度SFAシステム上で共有し、今何が起こっているのかを全体で把握していくことが大切です。

ケース3 なぜかエクセルを持ち出したがる

不思議なもので、自分だけの営業管理の為には使い慣れたエクセル等のツールが一番と思っている営業担当者は結構多いものです。

例えば法人顧客情報をダウンロードし、過去の提案履歴や先方窓口等(もしかしたら現状自社SFAには用意されていない項目含め)手管理している、というパターンです。営業担当がエクセルで自分勝手に管理を始めると、最新の情報を共有するという前提が崩れていき、「SFAの情報は新しくないから信用できない」といった本末転倒なケースに陥る恐れもあります。

この場合はSFA本来の魅力に気づけていないかもしれません。社内のルールをつくり徹底させるとともに、実際の利便性を感じてもらうことが一番の近道でしょう。

ケース4 入力ルールを守らない

ケース3にも類似しているのですが、決められた入力ルールを守らない人がいると、それだけでSFAの運営は危うくなります。

例えばコールの担当者が決められた通りの入力ルールを守らずに受電内容を記録しない、とします。すると、それを見ていた同僚は「なんだ、私もそうしよう」として入力作業を面倒くさがって入力を怠る風潮が生まれてしまうのです。

また、コール発信内容を記録しない場合は、複数名で同一企業へアプローチをかけてしまうことが起こり得ます。結果、その現場では「SFAのコールの受電内容記録はあてにならない」とみられるようになってしまいます。

こうしたSFAの使い方についての誤りが何を生み出すのか。
それは「SFAそのものへの信頼が失われること」に他なりません。仕事の現場では「スピード」と「正確さ」が常に求められます。ましてそれが大切なお客様についての業務ならなおのこと。SFAの仕組み自体、まさにスピードと正確さを提供するための仕組みと言えるのですが、営業をはじめとする現場の担当者の使い方次第によっては、自分たちでその機能を損なってしまっているといえます。
スピードと正確さが求められる環境の中、「SFAに入っている情報は使い物にならない」として自分たちで現場ごとに別に情報を持とうとするなど悪循環が始まる可能性すらあるのです。

SFAは人間が使うもの

SFAを使うのは、結局人間です。
人間が使い倒すためのものなのに、機械に振り回されているのは、結局「何をしたいのか、何をすべきなのか」という目的を営業現場が明確に定義できていないからと言えます。
SFAを用いてどうしたいのか、どうCSを上げてリテンションを高め、収益につなげたいのか。目標となすべきことを見据え、それをマーケティング活動や必要であれば開発に相談すべきです。
お金をかけてSFAに開発をかけていくこと自体をためらうべきではありませんが、その前に運用方法や使い方・向き合い方を変えるだけで大きく成果が変わってくるやり方はいくらでもあるはずです。
SFAとの上手な付き合い方、是非一度トライしてみてはいかがでしょうか!