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はじめに


2013年、政府はテレワークの推進を打ち出しましたが、以降日本でテレワークを導入する企業は普及せず、2018年現在もテレワークは決してメジャーな働き方とは言えません。なぜテレワークは日本に浸透しないのでしょうか?導入の課題と、課題への対策について考えていきます。


2017年のテレワークの導入状況



平成29年版の情報通信白書(総務省)によると、2016年時点でのテレワークの導入企業の割合は、全体の13.3%と少ない割合を示しています。テレワークの導入は企業規模が大きくなればなるほど増えることがわかっており、リモートワークが可能なホワイトカラーの業務に就く従業員数と比例していることがわかります。平成28年通信利用動向調査では、テレワーク実施に意欲的な従業員は22.4%となっており、テレワークを推し進める国と労働者のあいだで意識が乖離していることが明らかになっています。

このような現状に対し、総務省ではテレワーク月間などのポスター告知によるPRや、企業へのテレワークの一斉開始の呼びかけなどを検討しています。テレワークに対する理解を深めることを目的とした講習会や、普及促進のためのシンポジウムなども計画されています。

しかし、労働者や企業の視点から見たテレワークの必要性や、なぜ導入に否定的なのかという現状の分析がなければ、テレワークの普及につなげることは難しいでしょう。



企業のテレワーク導入を推進するには



企業のテレワーク導入を推進するためには、まずテレワーク導入に適した労働環境を作り上げることが必要です。社内でのコミュニケーションに依存した業務体型を作っている企業では、テレワークは当然浸透しません。ICTシステムなどを利用した、情報の可視化とアクセスの簡便化を図ることで、この課題は解決するでしょう。また、マーケティング・オートメーション(MA)の利用を通じ、業務の自動化を促進することで、社内でおこなわなければならない業務そのものをシンプルにすることも重要です。

さらに、テレワークに即した制度の構築も重要でしょう。テレワークでは、社員の評価や労働管理が難しいという声もあがっています。都市郊外型サテライトオフィスの活用や、テレワークでも対応可能な評価ツールの導入など、制度の刷新による対応の模索が求められます。

いずれも、テレワーク導入という端的な目標だけでなく、企業そのものの体制に関わる意識改革と業務体型の変更が必要となることは明らかです。その手間を鑑みて必要性がないと判断する企業も多いのが現状でしょうが、生産性の向上や企業の立地に関係のない人的リソースの確保など、長期で見たメリットは計り知れないものです。

テレワーク導入で働き方改革の第一歩



テレワークは限られた業務にしか対応できないものとして企業、労働者の双方が認識していますが、実際は課題解決の方法を模索することで多くの業務に適用することが可能です。
テレワークが機能することで、企業はオフィスコストの削減や人材確保など、長期的に見た利益を得ることが可能になります。また、従業員は家庭の時間を大切にしながら働くことができ、生産性の高い業務を遂行することができるでしょう。

まずは構造そのものを変えるための第一歩として、個々人が自身の置かれた立場での業務を見直すことが大切です。それぞれの働き方が変わっていくことで、テレワークのメリットが人々に伝播していくのではないでしょうか。



おわりに



テレワークは、日本において、現状決して普及しているとは言えない状況です。しかし、国際的に見ても労働生産性の低いことが課題となる日本では、テレワークを導入することによって、常態化している非生産的な企業文化や働き方を刷新できる希望があります。
テレワークを社内で浸透させるためには固執するのではなく、まずはそれぞれの企業で場所や時間による一定の拘束がある業務を少しずつ変えていき、ツールやシステムを活用しながら社員が慣れていく土壌を作っていくことが、テレワークの普及における成功のポイントと言えるでしょう。







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